第335章:長年封印されてきた過去の出来事

中には革張りの日記帳が入っていた。

手帳はひどく使い込まれているのに、驚くほど清潔だった。

持ち主がどれほど丁寧にここへ置いたかが、ありありと伝わってくる。

アドリアンは不意に、胸が限界まで締めつけられるのを感じた。

慎重にそれを開く。

セレナの端正な筆跡が、目の前に現れた――

三月十二日

ロスウェル家の屋敷を出て、ママとスウィートウォーター・シティに来た初日。

この見知らぬ街が好きになれない。

ロスウェル邸に戻りたい。おじいさま、サラ、窓の外のマグノリアの木、それから……アドリアンが恋しい。

その名前を見た瞬間、アドリアンの手が激しく震えた。

彼女が……自分を恋しがって...

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